覚悟とやる気を持って働けるかどうか。私の失敗から伝えたい事
転職のコツについて考えるために、私自身の転職失敗体験についてお話ししなければなりません。
それまで、病棟で働いた経験すらなく、病院でも夜勤勤務もはじめてであった私が一念発起し、とある中規模個人病院での病棟勤務にチャレンジしたのは、40代前半のころでした。
転職を決意させたのは、転職サイトのスタッフの一言です。
「頑張るとしたら、これが最後のチャンスですよ」
その言葉が、「無理かも」と感じていた、私の背中を強く推したのでした。
しかし、いざ仕事をはじめてみると、すぐに自分の考えが甘かったことを痛感させられました。
20年近く前に学んだ看護技術は、完全に時代遅れ。まったくついて行けない上に、わが子のような年齢の先輩に指示を仰ぐ状況において、余計なプライドが邪魔をします。
慣れない業務に追い打ちをかける、ハードな内容と残業の日々で、体力的にも限界。
帰宅しては泥のように眠り、疲れ切った体をひきずるように出勤するの繰り返しで、勉強することもままならず、当然、成長も見込めません。
結局は、3年余りで、体調を崩し、自ら退職する事態に陥ったのでした。
失敗の原因は、数え切れないほどあったと思います。私自身が、自分の能力や適性を見極められなかったことは、もちろん職場自体の選択において、十分な情報収集を行わず、転職サイトのスタッフに任せきりにしていたこと。
看護師の仕事自体を甘く見ていた、私自身の認識不足なども、原因の一つでした。
しかし、最大の原因は、私自身の「覚悟とやる気の欠如」だったのではないでしょうか。
経験がなくても、年齢が高くても、成長し、自らの道を切り開いている看護師さんは
たくさんいらっしゃいます。私自身には、その一番大切なことが欠けていたのだと思います。
看護師の仕事は、本当に大変です。
ハードで、体力的にもきつい上、責任感と正確な仕事が要求される、まさに「すべて」が要求されるお仕事です。場合によっては人の命を奪いかねない、「つい、うっかり」が笑ってすまされないお仕事でもあります。
だからこそ、転職する際には「なんとかなるだろう」などという甘い考えで、職場を選ぶべきではありません。
転職する際には、そのことを念頭に置いて、現時点での能力や適性、体力や年齢をもとにした実力を転職先で要求される仕事内容と比較することが必要です。
その上で、不足分を補うだけの「覚悟とやる気」があるかを見極めることが重要になります。
この分析を怠ったまま、中途半端な「覚悟とやる気」で転職を決意すれば、必ず失敗します。
看護師という仕事は、それほど、責任の重い仕事であり、いいかげんな気持ちで転職先を決めてはいけない仕事なのだと思います。
「ナースあおい」などが好きですが、奮闘する姿を見て頑張れました。